研究室紹介

免疫学・病害動物学講座の歩み



当講座は開学時に設立された病害動物学を起源とした50年以上の歴史ある講座です。1971年に神田錬蔵先生が初代教授に就任され、寄生虫の遺伝分類学的研究及び免疫学的研究に取り組まれました。その後、免疫学の発展に伴い坂根剛先生が1991年に二代目教授として就任する際、「免疫学・病害動物学」に名称変更となっています。以降、当講座は寄生虫学に加えて免疫学の教育も担当するようになりました。坂根教授は関節リウマチ、ベーチェット病、全身性エリテマトーデスなど自己免疫疾患の発症機序及び治療に関する分子免疫学的研究に取り組まれました。2000年に鈴木登先生が三代目教授として就任され、免疫学に加えて再生医学に関する研究も開始されました。以降、当講座は免疫学・再生医学を主軸に研究を展開しています。2022年4月より、宮部斉重が四代目主任教授に就任し、これまでの「免疫学・病害動物学」の伝統を継承しつつ、新たな風が吹き込まれようとしています。

講座運営の方針

私は、講座責任者として、医療・医学における社会的使命 (①医学への貢献、②人材の育成、③教室の発展)を果たせるような講座運営を目標としています。

 

医学への貢献: "基礎医学への精進と貢献""患者への献身と奉仕"を常に念頭におき、大学人として求められる医学部の教育、研究に教室員が一丸となって取り組みます。医学における“unmet needs”を元に、積極的に基礎・臨床教室と共同研究を行いTranslational Researchを行う。研究で得た知見は広く社会に還元できるよう、国内外で積極的に発表することを心掛けています。

人材の育成大多数の医学部学生は卒後臨床医となるため、基礎医学の知識はもとより、臨床医として生涯にわたり必要となる科学的思考能力を教育、実習を通じて身につけて頂くことに重点を置きたいと思います。また、大学院生の教育に当たっては、研究分野に関する専門知識と、研究者として将来自立するために必要な手技を体系的に習得して欲しいと思います。自身のこれまでの経験から、欠点を矯正することよりも個人の長所を伸ばすことを重視し、無限の可能性を持つ若い学生、研究者たちが世界に向かって大きく羽ばたき活躍できる場を提供したいと考えています。将来、国内外で独立研究者となることを目指す教室員には、自身の持つノウハウとネットワークを元に最大限のチャンスを与えたいと思います。

教室の発展教室員はもっとも重要な財産だと考えています。当講座で研究を志す方には広く門戸を開き、研究の楽しさを共有できる仲間を一人でも増やしたいと考えています。また、個々人の社会的背景を尊重し、研究に邁進したい研究者も、診療の合間に研究をしたい臨床医も、家庭との両立を目指す女性研究者も、それぞれが個性を活かして切磋琢磨できるよう、多様性を重視して「人が集まり、育つ」教室運営を心がけたいと思います。